2026年9月14日の経済ニュースをまとめました。注目された米消費者物価指数(CPI)は前年比プラス3.4%と市場予想どおりでしたが、市場が本当に見ていた前月比のコア指数は予想を上回り、利上げ観測が一段と強まっています。
同時にサウジアラビアの原油パイプラインが攻撃で停止し、原油価格には再び上昇圧力がかかりました。AI分野でもオープンAIのIPO見送りやエヌビディアの大型出資検討など動きが相次いでいます。今週はFOMC(米連邦公開市場委員会)、BOE(イングランド銀行)、日銀と中央銀行の会合が重なるため、その前提を整理しておきます。
この記事でわかること
- 米CPIの内訳と、市場が注目していた前月比コア指数の結果
- サウジの原油パイプライン停止が原油価格に与える影響
- オープンAIのIPO見送りとエヌビディアの出資検討というAI関連の動き
- トランプ大統領の5000ドル支給案と長期金利への波及
- 中央銀行ウィークを前にした相場の見方
| 項目 | 9月14日の結果 | ポイント |
|---|---|---|
| 米CPI(前年比) | プラス3.4% | 市場予想と一致 |
| コア指数(前月比) | プラス0.3% | 予想のプラス0.2%を上回る |
| エネルギー価格 | プラス16.3% | 原油高が物価を押し上げ |
| 原油 | サウジのパイプライン停止 | 供給不安で上昇圧力 |
| オープンAI | 年内のIPOを見送り | 金利上昇で上場環境が悪化 |
| 米政策 | 成人1人5000ドル支給案 | 実現なら財政不安で金利上昇 |
米消費者物価 前年比プラス3.4% コア前月比は予想を上回る
原油高を受けてエネルギー価格がプラス16.3%、輸送プラス2.4%、食品プラス2.7%、住居費プラス3.0%
変動が激しい食品とエネルギーを除いたコア指数はプラス2.4%
市場が注目していた前月比ベースのコア指数は、市場予想のプラス0.2%を上回るプラス0.3%
※コア指数=価格変動の大きい食品とエネルギーを除いた物価の指標。FRB(米連邦準備制度理事会)が物価の基調を見るときに重視します。金利と物価の動きは9月4日の記事でも取り上げています。
サウジ 東西を結ぶ原油パイプラインが攻撃で停止 原油に上昇圧力
東西を結ぶ原油パイプラインが攻撃を受け、安全確保のための予防措置として稼働停止
10日にイラクから飛来した無人機が攻撃
イラク政府は攻撃を非難する声明を発表し、関与は否定
※このパイプラインは紅海側へ原油を運ぶ迂回ルートで、停止すると供給不安から原油価格が上がりやすくなります。原油高と長期金利の関係は9月10日の記事で詳しく取り上げています。
アンソロピックCEO AI開発の減速を主張 オープンAIも同調
ダリオ・アモデイCEO「フロンティア(最先端技術)の進展にはペース配分が必要だ」
理由はAIが制御不能に陥ったり悪用されたりするリスク
オープンAIのサム・アルトマンCEO「ダリオの考えに同感だ。ここ数週間重要テーマとして議論している」
オープンAI 年内のIPOを見送り 金利上昇で上場環境が悪化
今年は賢明なタイミングではないとして、当面はAIの安全性の確保に集中する考え
※IPO(新規株式公開)=未上場企業が株式を証券取引所に上場し、一般の投資家が売買できるようにすること。
出典:OpenAI News
アンソロピック エヌビディアから最大100億ドルの出資受け入れを協議
エヌビディアは最大100億ドルを投資する方向で検討中
計画変更の可能性も
※エヌビディアのAI企業への出資は9月1日の記事でも取り上げています。
ハセット委員長 トランプ大統領の5000ドル支給案を「真剣な提案」
トランプ大統領は中間選挙に勝利した場合、成人1人につき5000ドルを支給すると表明
これについてハセット委員長は「真剣な提案」だと主張
ハセット委員長「財政的に責任ある方法で実行可能。アメリカには成長や富があり大統領は多くを還元すべきと考えている」
※ハセット委員長=NEC(米国家経済会議)委員長。大統領に経済政策を助言する立場です。
考察 FOMCで本当に利上げするのか

アメリカの消費者物価が市場予想よりプラスで利上げ観測が高まった。
市場では今回のFOMCで利上げは織り込まれている。
しかし、ウォーシュFRB議長はやるべき仕事があると発言しただけで利上げをするとは断言していない。
今回のFOMCで仮に利上げをしなければドル安の勢いが強くなる。
トランプ大統領もベッセント財務長官も利下げを要求している中、本当に利上げをしてくるのだろうか。
為替介入ではなく中央銀行の政策でドル安円高に持っていけている今、簡単に利上げするとは思えない。
仮に今回は利上げをするとしてもハト派の発言でドル高にはならないように配慮しそう。
サウジのパイプラインの稼働が停止し、原油価格には上昇圧力。
原油価格の上昇には中央銀行の政策ではどうしようもできない。
物価が上がっているのは原油価格の上昇によるインフレ。
根本的な解決をしなければ、いくらFRBが利上げをしてもインフレはおさまらない。
物価が上がって消費は減るかもしれないが、生活必需品はいくら高くなっても買わなければならないため、娯楽や贅沢品の消費が減るだけで物価は原油価格が下がるまではなかなか下がりそうもない。
長期的にインフレが予想されるため、長期金利が上昇している。
長期金利の上昇はハイテク株や成長企業の負担が増えるため、オープンAIも今の市場の環境が良くないためIPOを見送った。
これから年末にかけて株式は上昇するアノマリーがあるが、今年の中間選挙の結果次第でトランプ大統領のお金配りが決まれば、インフレになり財政不安により長期金利がより一層上昇することになるためやめたのだろう。
スペースXは成功したように見えたが、今はIPO価格と同じくらいの水準で推移している。
今週はFOMCやイギリスのBOE、日銀会合と中央銀行の政策発表ウィーク。
9月は株価が軟調というアノマリーがあるが、落ちたところは年末や来年に向けて拾っていきたい。
いずれにせよ今は中東情勢の原油価格がキーになっている。
※ハト派=金融緩和(利下げなど)に前向きな姿勢。反対に引き締めに前向きな姿勢をタカ派といいます。
※アノマリー=理論では説明しにくいものの、経験的にくり返し見られる相場の傾向。
まとめ 物価のカギは原油価格
9月14日のポイントは、物価上昇の主因が原油高にあるという点です。FRBが利上げをしても、供給側が原因のインフレはすぐには収まりません。今週のFOMCで利上げがあるかどうかに加えて、声明や会見のトーンがドル円を大きく動かしそうです。
中東情勢と原油価格が当面のカギになります。9月は株価が軟調になりやすい時期ですが、下げたところは年末から来年を見据えて拾っていきたいところです。
※本記事は筆者が個人的に収集した情報にもとづく見解であり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。
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