2026年8月25日の経済ニュースをまとめました。アメリカによるイランへの追加制裁「経済Dデー」、カナダ産自動車への50%関税、ソフトバンクグループの1兆円社債など、相場に直結するトピックが並んでいます。記事の後半では、ホルムズ海峡をめぐる原油価格のリスク、保有銘柄の状況、そして金・ビットコインへ資金が向かう「ディベースメント取引」について考察しました。
- この記事でわかること
- GX推進機構、脱炭素スタートアップ2社に官民200億円を出資
- アメリカがイラン制裁を拡大 孤立に向けた「経済Dデー」とは
- 米財務省、国債買い戻しの財源にTGA(手元資金)活用を検討
- トランプ大統領、カナダ産自動車・鉄鋼の関税を50%へ引き上げ
- 米物流大手UPSが20億ドル規模の投資 カナダ・アジアに物流拠点
- ウクライナ支援の首脳会合 イギリスが巡航ミサイルの機密情報を提供
- スズキが初の軽EVを今秋発売へ 航続距離は310km
- ソフトバンクGが個人向け社債1兆円を発行 利率は年4.3〜4.9%程度
- プルデンシャル生命で新たな金銭搾取の疑い
- 福岡県議会議長が議員辞職を表明 金銭授受疑惑で
- イランがタンカーなど45隻をブラックリストに ホルムズ海峡通過で拿捕も
- 考察|ホルムズ海峡・社債マネー・ドル離れ
- まとめ|8月25日のポイント
- よくある質問
この記事でわかること
- 米によるイラン2次制裁「経済Dデー」の中身と、原油価格へのリスク
- カナダ産自動車・鉄鋼への50%関税と、カナダ側の報復措置
- ソフトバンクGの個人向け社債1兆円が長期金利に与える影響
- ドル離れで金・ビットコインに資金が向かう「ディベースメント取引」
- 田中家の保有銘柄(任天堂・カプコン・東映アニメーション・サンリオ)の状況
前回の記事:日経平均2134円安と米国債買い戻し倍増【8/20市場ニュース】
| 項目 | 8月25日の結果 | ポイント |
|---|---|---|
| 米のイラン制裁 | 2次制裁を5分野に拡大 | 取引を続ける第三国企業も米金融システムから締め出し |
| ホルムズ海峡 | イランがタンカーなど45隻をブラックリスト化 | 通過すれば拿捕の可能性。原油の供給リスク |
| カナダ産の自動車・鉄鋼 | 関税を50%へ引き上げ | カナダは9月8日から報復関税を発動予定 |
| ソフトバンクGの個人向け社債 | 1兆円、利率は年4.3〜4.9%程度 | 償還7年。国債から社債へ資金が向かう |
| 米財務省の国債買い戻し | 財源にTGAの活用を検討 | TGAの残高は約1兆ドル |
| GX推進機構 | 脱炭素2社に官民200億円を出資 | 核融合とプラスチック再生。公的資金が呼び水に |
GX推進機構、脱炭素スタートアップ2社に官民200億円を出資
脱炭素社会の実現を目指す経済産業省の認可法人「GX推進機構」が、核融合とプラスチック再生を手がけるスタートアップ2社に対し、30億円規模の出資を行ったことが分かりました。
民間の投資と合わせると、投資額は200億円規模になる見通しです。政府は公的資金を呼び水に民間投資を促し、先端技術の実用化を後押ししたい考えです。
アメリカがイラン制裁を拡大 孤立に向けた「経済Dデー」とは
ベッセント財務長官は「世界のイランの金融ネットワークに大規模な経済的な攻撃を仕掛ける。イランが孤立するまで、イラン政府を支えるあらゆる経済的関係を断つ」と述べました。
2次制裁ではデジタル資産・技術・航空・海運・金の5分野が対象となります。取引を続ける国や企業などを米金融システムから締め出すとしており、「全ての国が対象だ」と警告しました。
対象には、原油の輸出先や金融取引を仲介しているとされる中国の企業や金融機関も含まれるとされています。
すでに、核やミサイル開発、原油の輸出入に関与したとして60を超える個人と企業に制裁を課したと発表。さらに今週中には、大手金融機関を対象とする制裁を発表するとも述べています。
イランは50年近く制裁を受けてきた中で、アメリカと対立する国との関係を構築してきました。イランの経済財務省は「万全の準備を整えている。アメリカは金融の動脈を断つことはできない」と反発しています。
またイラン最高安全保障委員会の事務局長は「ホルムズ海峡だけでなく、ペルシャ湾から一滴の原油も出さない」としており、事実上封鎖する範囲を拡大することを警告しています。
米財務省、国債買い戻しの財源にTGA(手元資金)活用を検討
アメリカの財務省が、長期国債の買い戻し(バイバック)に財務省一般勘定(TGA)を活用することを検討しているということです。
TGAは財務省がFRBに保有する預金口座という位置づけで、残高はおよそ1兆ドルあるとされています。政府閉鎖時などに活用する資金です。
トランプ大統領、カナダ産自動車・鉄鋼の関税を50%へ引き上げ
トランプ大統領は、カナダ産の自動車・鉄鋼に対する関税を2027年1月1日から50%に引き上げると、自身のSNSで表明しました。
カナダとの貿易交渉が決裂したことから、すでにカナダ産の一部品目には50%の追加関税を発動しています。
カナダ政府は9月8日から報復関税を発動する予定で、両国の貿易摩擦は激しさを増しています。
米物流大手UPSが20億ドル規模の投資 カナダ・アジアに物流拠点
物流大手のUPSが、国際事業やサプライチェーン関連事業に20億ドル規模の投資を進めていることが明らかになりました。
2024〜2028年までの事業計画の一環として、カナダやアジアに物流拠点を設ける方針です。
ウクライナ支援の首脳会合 イギリスが巡航ミサイルの機密情報を提供
イギリス首相は、長距離巡航ミサイル製造に関する機密情報をウクライナに提供すると表明しました。
ウクライナは、イギリスとフランスが共同開発した長距離巡航ミサイルの現地生産に向けてフランスと協議しており、イギリスが機密情報を開示することでウクライナでの生産を後押しします。
会合には高市総理もオンラインで出席し、国際社会と連携してウクライナ支援および対ロシア制裁にしっかり取り組んでいくと話しました。
スズキが初の軽EVを今秋発売へ 航続距離は310km
スズキが初の軽EV(軽自動車の電気自動車)を発売します。試作車の航続距離は310kmで、国産の軽EVとしては最長レベルを実現しました。
大型のディスプレイを採用したほか、電源コンセントを装備して利便性を向上させたとしています。
販売価格は今後決定し、この秋に発売予定です。
ソフトバンクGが個人向け社債1兆円を発行 利率は年4.3〜4.9%程度
ソフトバンクグループは、個人投資家向けに1兆円の無担保社債を発行すると発表しました。
償還までの期間は7年、利率は年4.3〜4.9%程度としており、来月4日に正式に決定します。
調達した資金は社債の償還に充てるほか、AI投資などに充てるとしています。
プルデンシャル生命で新たな金銭搾取の疑い
川崎市・多摩支社所属の元営業社員が、複数の顧客から金銭をだまし取った疑いが新たに判明しました。
新規契約の販売を自粛した2月以降に起きた可能性があるとしています。
社員はすでに死亡しており、被害金額や件数などは調査中です。
福岡県議会議長が議員辞職を表明 金銭授受疑惑で
金銭授受疑惑で関与を指摘されていた福岡県議会の蔵内勇夫議長が、議員を辞職すると表明しました。
元議長の吉松県議らは、就任前に蔵内氏など自民党県議団幹部に数百万〜数千万円を払ったと証言しています。
吉松県議は、これで疑惑の説明責任がなくなるわけではないとしています。
イランがタンカーなど45隻をブラックリストに ホルムズ海峡通過で拿捕も
イランのペルシャ湾海峡庁は、取り決めに違反した一部の船舶について、今後ホルムズ海峡を通過した場合は罰金・拿捕などの措置を講じるとSNSに投稿しました。
45隻のブラックリストには超大型原油タンカーなどが含まれており、それらの船舶に協力した船は即座にブラックリストに追加されると警告しました。
考察|ホルムズ海峡・社債マネー・ドル離れ
イラン制裁とホルムズ海峡 原油価格が落ち着いている理由

アメリカがイランに史上最大の経済制裁を課すことになりました。
軍事作戦で勝つことができなかったため、次は経済に打撃を与えようとしていますが、イランは何をされても強硬派がホルムズ海峡や紅海を閉鎖するでしょう。
本来なら原油価格が上がるはずなのに落ち着いているのは、Axiosによると、米軍がここ数週間、ホルムズ海峡の南側・オマーン沿岸ルートを使って、夜間にタンカーをまとめて通す「ステルス輸送回廊」を運用しているからだとのこと。
これが本当なら、ここを完全に停止された場合は原油価格が一気に跳ね上がり、金利は上昇。経済には逆風となり、中間選挙の結果はトランプ大統領の敗北につながります。
これを阻止するため、中間選挙までトランプ大統領はなんとか市場を保っていくと思われますが、どうしていくのか注目です。
保有銘柄の状況|任天堂・カプコン・東映アニメーション・サンリオ

今週は26日のPCE、エヌビディア(NVIDIA)の決算、27日のジャクソンホールという大きなイベントが控えているため、市場は様子見ムードです。
日経平均は冴えないものの、現在保有している銘柄はすべてプラス。
任天堂も日足で底固めをしており、あとは200日移動平均線を突破すれば、さらに勢いをつけて上を試せるかもしれません。
任天堂より成績がいいのはカプコンです。同じ時期に買いましたが、カプコンの上昇率は群を抜いています。
分散投資ではなく特定の業種の銘柄を分散しているのですべてプラスになっていますが、その中でも上昇率には差があります。
東映アニメーションも持っていて成績はいいのですが、本命だったサンリオは保有銘柄の中で一番冴えません。
日経平均の半導体銘柄から資金が回ってきている感じがしているので、エヌビディアの決算やジャクソンホール次第で日経平均が息を吹き返せば、IP関連銘柄はまた下がりそうです。
ただ将来的には上がるビジョンがあるので、下がったところは少しずつ買っていきたいと考えています。
社債マネーの流入で長期金利はどうなるか

アメリカの長期国債の買い戻しには、財務省がFRBに保有する預金口座(TGA)を活用することになりました。
長期国債よりもハイパースケーラーなどの社債の利率のほうが高いため、資金はそちらに取られ、金利が4%超あっても買い手が不足しています。
日本でもソフトバンクグループが高利率で個人向けに社債を発行。1兆円規模とのことで、資金がソフトバンクに向かえば日本の国債も買われず、長期金利は上昇することになります。
世界的に大手企業が社債を発行することで国債の魅力は低下し、金利は上昇していく流れです。
どこかで長期金利が大手企業の社債の金利を超えて、社債から国債へ資金が移動するのか。それとも大手企業の業績が悪化して社債から資金が抜け、景気後退から利下げによる金利低下になるのか。未来がどうなるかは分かりません。
ドル離れと金・ビットコイン|ディベースメント取引の広がり

最近ひとつ言えるのは、ドルの信用が下がっていることで金とビットコインの価格が上昇しているということです。
まさにディベースメント取引(通貨価値の劣化を見越して“硬い資産”へ逃がす投資)が行われています。
トランプ大統領が関税をかけたり、イランへの経済制裁でイランと取引をしている第三国も制裁対象になりドル資産が凍結されたりと、ドルを持つリスクが表面化しています。
今回のイラン戦争ももともとはイスラエルとアメリカが始めたことなのに、なぜ第三国がアメリカの都合で巻き込まれ、ドルの資産を人質にされなければいけないのか。
普通に考えて、将来イランのようにアメリカの都合で戦争になったときにドルの資産を凍結されることは目に見えているため、各国はドルを売って金やビットコイン、無国籍通貨を保有していく流れになっています。
金が輝きを増すのはまだまだこれからだと思うので、次の大相場が来るまで金はコツコツと積み立てていきます。ビットコインは上がりだしたら止まらないので、次の大相場では一部を利確して株に資金をローテーションしていく方針です。
まとめ|8月25日のポイント
- アメリカがイランへの2次制裁を拡大。デジタル資産・技術・航空・海運・金の5分野が対象で、取引を続ける第三国の企業も米金融システムから締め出しへ
- イランはペルシャ湾全体での原油停止を警告し、タンカーなど45隻をブラックリストに指定。原油価格の上振れリスクは残る
- カナダ産の自動車・鉄鋼への関税は2027年1月1日から50%へ。カナダは9月8日から報復関税を発動予定
- ソフトバンクGが個人向け社債1兆円を発行。国債から社債へ資金が向かい、日米ともに長期金利には上昇圧力
- ドル離れを背景に金・ビットコインが上昇。今週は26日のPCE、エヌビディア決算、27日のジャクソンホールが焦点
よくある質問
「2次制裁」とは何ですか?
制裁対象国と取引を続ける第三国の企業や個人まで、制裁の対象に含める措置です。今回はデジタル資産・技術・航空・海運・金の5分野が対象で、イランと取引を続ける企業はアメリカの金融システムから締め出される可能性があります。直接の当事国でなくても影響が及ぶ点が特徴です。
社債にお金が集まると、なぜ長期金利が上がるのですか?
投資家の資金には限りがあるため、利回りの高い社債に資金が向かうと、その分だけ国債を買う需要が減ります。国債は買い手が減ると価格が下がり、価格と反対に動く利回り(長期金利)は上昇します。ソフトバンクグループの1兆円規模の個人向け社債は、この資金の移動を大きくする材料です。
「ディベースメント取引」とは何ですか?
通貨の価値が下がることを見込んで、金やビットコインなど発行体を持たない資産に資金を移す動きのことです。財政赤字の拡大や中央銀行の独立性への懸念が強まると、この動きが広がりやすくなります。
筆者:田中(田中家の投資道)。日米株と金を中心に運用する個人投資家。毎日の経済ニュースと、実際の保有銘柄の売買判断を公開しています。
【免責事項・保有状況】本記事は公開情報をもとにした筆者個人の見解であり、特定の銘柄や投資手法の売買を推奨するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。なお、筆者は記事中で言及した任天堂・カプコン・東映アニメーション・サンリオの株式を保有しています。
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