2026年9月15日の経済ニュースをまとめました。米長期金利が一時5%台と2年11か月ぶりの水準まで上昇し、原油高によるインフレ懸念と米財政への警戒が同時に意識されています。
中東ではフーシ派が紅海の要衝を支配下に置いたと表明し、サウジアラビアの輸出用在庫も数日分まで減っているとされます。原油の供給不安が金利をさらに押し上げる構図になっているため、FOMC(米連邦公開市場委員会)を控えた今の前提を整理しておきます。
この記事でわかること
- 米長期金利が一時5%台まで上昇した背景と、日本の長期金利への波及
- 中部電力の社長・会長辞任と、浜岡原発3・4号機の審査申請取り下げ
- フーシ派による紅海の要衝支配と、原油の輸送ルートへの影響
- サウジの輸出用在庫が数日分とされる状況と、世界の供給に占める重み
- BRICS首脳会議でのモディ首相の発言と、重要鉱物をめぐる中国へのけん制
- 金利上昇局面で金と現金をどう考えるか
| 項目 | 9月15日の内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 米長期金利 | 一時5%台 | 2年11か月ぶりの高水準 |
| 原油 | サウジの輸出用在庫は5〜7日分 | 再開しなければ世界供給の4%が失われる見方 |
| 紅海 | フーシ派がバベルマンデブ海峡を支配と表明 | 代替の輸送ルートが不安定に |
| 中部電力 | 社長・会長が辞任 | 浜岡原発3・4号機の審査申請を取り下げ |
| BRICS | モディ首相が重要鉱物の武器化に懸念 | 中国の輸出規制をけん制か |
| 米ビザ | 期間短縮の規則改正を差し止め | 留学生4年・記者240日の制限は見送り |
米長期金利 一時5%台 2年11か月ぶり インフレ・財政懸念
原油高に伴うインフレや金融引き締め観測、米財政懸念で債券売りが拡大
原油高は幅広い分野へのコスト増加圧力となり、予想インフレ率を押し上げる形
これを受けてFOMC(米連邦公開市場委員会)で利上げに踏み切るとの見方が優勢
利回りの高まった米国債に資金を移すため、投資家の間で他国の債券を売る動きが広がれば、日本の長期金利への上昇圧力が強まる可能性
※長期金利=ここでは償還までの期間が10年の米国債の利回りを指します。住宅ローンや企業の借入金利の目安になります。
※米長期金利の上昇は9月10日の記事でも取り上げています。
出典:米財務省 Daily Treasury Par Yield Curve Rates
中部電力 社長・会長が辞任
浜岡原発3・4号機の再稼働審査申請を取り下げて白紙にすることも決定
経営層が担当部門に再稼働に向けたスケジュールの遅れを叱責したことが圧力として作用し、不正の一因になったと認定
フーシ派 紅海の要衝を「支配」 ホルムズ海峡の代替路に不安
紅海沿岸地域や紅海の入り口にあたる要衝バベルマンデブ海峡を支配下に置いているとの考えを表明
ミサイルなどを保有しており、海峡などでの船舶の航行をコントロールする能力があると主張
中東の親イラン勢力で作る「抵抗の枢軸」の一角として、バベルマンデブ海峡にある要衝の島や、港湾都市モカなどイエメンの紅海沿岸全域を掌握したとされる状況
※バベルマンデブ海峡=紅海の南端にあり、スエズ運河を通る欧州とアジアの航路の入り口にあたる海峡です。ホルムズ海峡が使えなくなった場合の代替ルートとしても意識されます。
サウジ 石油の輸出用在庫は数日分か
輸出用在庫が5〜7日分となっている状況
パイプラインが攻撃を受けて稼働を停止しており、稼働が再開しなければ輸出が停止する可能性
稼働が数日以内に再開しなければ、世界の石油供給量の4%が失われるとの見方
※サウジのパイプライン停止は9月14日の記事でも取り上げています。
出典:サウジ通信(SPA)
BRICS 中国をけん制か モディ首相が重要鉱物の規制に懸念
首脳会議でモディ首相は、技術や重要鉱物の武器化は共通の進歩を妨げる恐れがあると懸念を表明
BRICSの結束を訴える一方、重要鉱物の輸出規制をする中国をけん制したとの見方
※BRICS=ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカなどの新興国による枠組みです。
カナダで投資サミット開幕 167のインフラ事業が目標
ブラックロックやアポロ・グローバルなど、日本を含む各国の主要な機関投資家が参加
これらの機関投資家をカナダ企業と引き合わせ、石油パイプラインや鉱山の開発など167のインフラ事業を立ち上げる目標
カーニー首相「アメリカ以外の国との貿易拡大を止めるつもりはない」
出典:カナダ首相府 News
米 学生・記者ビザの期間短縮を「差し止め」
マサチューセッツ州連邦地裁は、トランプ政権が15日に導入予定だった留学生・記者向けビザの滞在可能期間を短縮する規則改正の施行を差し止める判断
規則の変更は留学生を最長4年、記者向けビザを240日間に制限する内容
考察 長期金利5%の先に何があるか

アメリカの長期金利の上昇が止まらない。
原油価格から端を発して様々な価格に転嫁している。
イランはこれを目的に行動しているため、少なくとも中間選挙までは原油価格は高止まりするだろう。
トランプ大統領がTACOると思われているかもしれないが、今回はイランが話し合いに応じる気配がないことから、TACOる=アメリカの負けを認めるようなもの。
そのため今回はTACOらずに軍事作戦や経済制裁でイランに勝ちに行っているが、ここまできたらイランも引かないだろう。
中間選挙の結果次第でトランプ大統領がお金を配るみたいだが、両院共和党が勝てる気はしない。
苦肉の策でお金で票を集めようとしているトランプ大統領は背水の陣。
ベッセント財務長官のドル安円高誘導もうまくいっている気はしない。
やればやるほどドルの信用が低下していき、財政懸念が払しょくされない限りFRBが利下げをしても短期金利だけが低下し、長期金利は下がらないだろう。
その時は財務省が長期国債のバイバックを増額し、日本みたいにイールドカーブコントロールをする日がくるのかもしれない。
引き続き原油価格の動向に注意し、今週の各国の中央銀行の発表を待ってからどうするか決めたい。

アメリカの金利が上昇するわりに金の下落はマイルド。
4200ドルを底固めし、どこかのタイミングで再度上昇に転じるだろう。
インフレ・財政懸念のヘッジとしてこれから金は持っておいた方がいい資産。
長期的には株式を持つのが合理的だが、短期的には株価も上値が重く、先行き不透明もあり金の方がパフォーマンスが良くなる気がする。
いつでも買い向かえるように多少の現金は持って準備しておくのがいいだろう。
※TACO=Trump Always Chickens Out(トランプはいつも弱腰になる)の略で、強硬な方針を打ち出しても最後には撤回する、という市場の見方を指す言葉です。
※イールドカーブコントロール=中央銀行が長期金利に目標を設けて国債を売買し、金利の水準を抑え込む政策です。
※円安・円高が家計と投資にどう効いてくるかはこちらの記事で解説しています。
まとめ カギは原油価格と中東情勢
9月15日のポイントは、米長期金利の上昇の起点が原油高にあるという点です。中東の供給不安が解消しない限り、FRBが利上げをしても長期金利は下がりにくく、日本の金利にも上昇圧力がかかりやすい状況が続きそうです。
今週はFOMCと日銀の金融政策決定会合が重なります。政策の中身に加えて、原油価格と中東情勢がどう動くかを見ながら、金と現金の比率を決めていきたいところです。
※本記事は筆者が個人的に収集した情報にもとづく見解であり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。
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