会社四季報2026年4集を読みながら、証券コード4004〜4998の範囲で気になった銘柄を書き出しました。全部で65社あります。1301〜1999、2001〜2999と見てきましたが、この番号帯は化学と情報通信業が中心で、拾った数もこれまでで一番多くなりました。
番号順のままだと化学とIT企業が交互に出てきて読みにくいので、一番数の多い化学を「総合化学・基礎化学品」「電子材料・機能性フィルム」「塗料・インキ」「油脂・界面活性剤・日用品」の4つに分け、続く情報通信業も3つに分けました。そのあとにサービス業・医薬品・その他製品を並べています。なお、ここに挙げたのは四季報を読んで気になった銘柄であり、売買を推奨するものではありません。
この記事でわかること
- 証券コード4004〜4998からピックアップした65銘柄と、それぞれの事業内容
- 化学を「基礎化学品」「電子材料」「塗料・インキ」「油脂・日用品」に分けた見取り図
- 情報通信業を「システム開発」「ソフト・クラウド」「ネット・メディア」で色分けした整理
- サービス業・医薬品・その他製品から選んだ14銘柄
化学(29銘柄)
今回ピックアップした65銘柄のうち、29銘柄が化学です。ひとくちに化学といっても、石油化学の基礎原料を作る会社と、半導体向けの材料を作る会社では景気の波の受け方がまるで違うので、4つに分けて並べます。
総合化学・基礎化学品(8銘柄)
| コード | 銘柄名 | 特徴 |
|---|---|---|
| 4005 | 住友化学 | 総合化学の大手。石油化学から情報電子材料、農薬、医薬まで幅広く手がける |
| 4021 | 日産化学 | 化学品・農薬・電子材料・医薬の4本柱。半導体向け材料の比率が高く収益性に定評 |
| 4022 | ラサ工業 | りん酸などの化成品と高純度薬品が柱。半導体向けの産業機械事業も手がける |
| 4042 | 東ソー | 塩ビとクロル・アルカリで国内首位級。石油化学と機能商品の2本立て |
| 4046 | 大阪ソーダ | か性ソーダなどの基礎化学品に加え、医薬品原料や分離精製用の材料に強み |
| 4091 | 日本酸素ホールディングス | 産業ガスで世界大手。大陽日酸が中核で、欧米事業の比率が高い |
| 4097 | 高圧ガス工業 | 溶接材料と産業ガスの販売が柱。化成品部門で接着剤なども手がける |
| 4272 | 日本化薬 | 火薬が祖業。自動車用エアバッグの起爆装置、医薬品、機能材料が収益の柱 |
※クロル・アルカリとは、塩を電気分解してか性ソーダや塩素を取り出す、化学産業の最も基礎にあたる工程のことです。ここで作られた原料が塩ビや医薬品などさまざまな製品の出発点になります。
電子材料・機能性フィルム(9銘柄)
| コード | 銘柄名 | 特徴 |
|---|---|---|
| 4063 | 信越化学工業 | 塩ビと半導体シリコンウエハーで世界首位。日本の化学株の代表格で利益率が高い |
| 4109 | ステラ ケミファ | 半導体洗浄に使う高純度フッ化水素酸で世界首位級。電池材料も育成中 |
| 4114 | 日本触媒 | 紙おむつ向けの高吸水性樹脂で世界首位級。酸化エチレン誘導品も収益の柱 |
| 4118 | カネカ | 塩ビ樹脂から食品、医療、電子材料まで多角化。発泡樹脂や機能性樹脂に強み |
| 4205 | 日本ゼオン | 合成ゴムと高機能樹脂が柱。光学フィルム用の材料で液晶・有機EL向けに強い |
| 4206 | アイカ工業 | メラミン化粧板などの建装建材と、接着剤を中心とした化成品の2本柱 |
| 4221 | 大倉工業 | 合成樹脂フィルムの大手。香川県丸亀市に本社を置き、液晶向け光学フィルムと建材も手がける |
| 4901 | 富士フイルムホールディングス | 写真フィルムからヘルスケアと電子材料へ転換。半導体材料やバイオ医薬の受託が柱 |
| 4972 | 綜研化学 | 粘着剤と機能性微粒子が主力。電子部品や表示材料向けの用途が中心 |
※高純度フッ化水素酸とは、半導体の製造工程でシリコンウエハーの表面を洗浄する薬品のことです。不純物が1兆分の1の単位で管理され、供給が滞ると半導体の生産が止まるため、地政学リスクの話題でも名前が出てきます。
塗料・インキ(5銘柄)
| コード | 銘柄名 | 特徴 |
|---|---|---|
| 4612 | 日本ペイントホールディングス | 塗料で世界大手。自動車用と建築用が柱で、アジアでの買収を重ねて規模を広げた |
| 4619 | 日本特殊塗料 | 自動車用の防音・防振材と、建物用の防水塗料が2本柱 |
| 4626 | 太陽ホールディングス | プリント配線板用のソルダーレジストで世界首位。医薬品事業も育成中 |
| 4633 | サカタインクス | 印刷インキで国内2位。新聞・出版向けから包装用へ移り、海外比率が高い |
| 4634 | artience | 旧・東洋インキSCホールディングス。印刷インキと、電子部品向けの機能材料が柱 |
※ソルダーレジストとは、プリント基板の表面に塗って、はんだが付いてほしくない部分を覆う絶縁材料のことです。基板が緑色に見えるのはこの膜の色です。
油脂・界面活性剤・日用品(7銘柄)
| コード | 銘柄名 | 特徴 |
|---|---|---|
| 4362 | 日本精化 | 化粧品用の油剤やリン脂質などのファインケミカルが主力。医薬品原料も手がける |
| 4401 | ADEKA | 樹脂添加剤と食品用油脂が柱。半導体材料も伸ばす旧・旭電化工業 |
| 4403 | 日油 | 油脂化学が祖業。ライフサイエンス、機能材料、火薬と幅広い分野を持つ |
| 4452 | 花王 | 日用品で国内首位。洗剤・化粧品・紙おむつに加え、化学品の外販事業も持つ |
| 4461 | 第一工業製薬 | 界面活性剤の大手。電池材料やバイオマス由来素材など新分野も育成中 |
| 4463 | 日華化学 | 繊維用の界面活性剤で国内首位。美容室向けヘアケア事業も柱の一つ |
| 4471 | 三洋化成工業 | 紙おむつ向けの高吸水性樹脂をはじめ、機能性化学品を幅広く手がける |
※界面活性剤とは、水と油のように混ざらないものの境目にはたらいて、なじませる物質のことです。洗剤のイメージが強いですが、繊維の加工や電池材料など工業用の用途が広い分野です。
情報・通信業(22銘柄)
化学に次いで多かったのが情報通信業の22銘柄です。受託開発が中心の会社、自社ソフトを月額で売る会社、広告や課金で稼ぐネット企業では、収益の積み上がり方が違います。3つに分けて並べました。
システム開発・SI(11銘柄)
| コード | 銘柄名 | 特徴 |
|---|---|---|
| 4012 | アクシス | 金融機関や公的機関向けのシステム構築が主体。車両の位置情報を扱うクラウドも展開 |
| 4172 | Hiクラテス | 歯科医院向けの電子カルテ統合システムを西日本中心に展開。無償サポートで更新率が高い |
| 4323 | 日本システム技術 | 独立系SI。医療費データの分析サービスや大学向けパッケージに特色がある |
| 4396 | システムサポートホールディングス | 独立系SI。クラウド導入支援に強く、中部・関西が地盤 |
| 4430 | 東海ソフト | 名古屋地盤の独立系ソフト開発。車載など組込み系と業務システムの2本柱 |
| 4662 | フォーカスシステムズ | 官公庁・金融向けのシステム開発と運用が柱。情報セキュリティ分野にも注力 |
| 4674 | クレスコ | 独立系SI。組込みソフトと業務システムの両方を手がけ、金融向けが厚い |
| 4685 | 菱友システムズ | 三菱重工業系のシステム開発。設計・解析などエンジニアリング分野に強い |
| 4687 | TDCソフト | 独立系SI。金融向けが柱で、アジャイル開発の支援にも力を入れる |
| 4709 | IDホールディングス | 独立系SIの持株会社。システムの運用管理が売上の柱で、セキュリティも育成中 |
| 4719 | アルファシステムズ | 通信キャリア向けのシステム開発が柱。組込みソフトにも強い |
※組込みソフトとは、自動車や家電など機器の中に組み込まれて動くソフトのことです。パソコン向けと違い、限られた性能の中で確実に動くことが求められます。
ソフト・クラウドサービス(7銘柄)
| コード | 銘柄名 | 特徴 |
|---|---|---|
| 4013 | 勤次郎 | 勤怠管理システム「勤次郎」が主力。健康管理や人材育成の機能にも広げる |
| 4058 | トヨクモ | kintone連携サービスと安否確認サービスが柱。月額課金型で解約率が低い |
| 4071 | プラスアルファ・コンサルティング | 人材管理の「タレントパレット」とテキスト分析ツールが主力 |
| 4432 | ウイングアーク1st | 帳票作成とデータ可視化(BI)のソフトが2本柱。月額課金への移行を進める |
| 4716 | 日本オラクル | 米オラクルの日本法人。データベースを軸に、クラウドサービスへ移行中 |
| 4733 | オービックビジネスコンサルタント | 中小企業向けの会計ソフト「奉行」シリーズで国内首位級 |
| 4776 | サイボウズ | グループウェアと業務アプリ基盤「kintone」を展開。月額課金の積み上げ型 |
※月額課金(サブスクリプション)型とは、ソフトを売り切るのではなく毎月の利用料を受け取る形のことです。導入時の売上は小さくなりますが、解約が少なければ収益が積み上がっていきます。
ネット・メディア(4銘柄)
| コード | 銘柄名 | 特徴 |
|---|---|---|
| 4262 | ニフティライフスタイル | 賃貸物件の一括検索サイトが収益柱。温浴施設の情報サイトも運営する |
| 4689 | LINEヤフー | ヤフーとLINEが統合。検索・広告・EC・決済を束ねる国内最大級のネット企業 |
| 4816 | 東映アニメーション | アニメ制作の大手。人気作品の版権収入が利益の柱で、海外配信も伸びる |
| 4825 | ウェザーニューズ | 民間の気象情報会社で世界最大手。船舶・航空・鉄道など企業向けが柱 |
サービス業(9銘柄)
人材、建設ICT、施設の保守管理と、扱うものはばらばらですが、いずれも自分の得意な領域を絞り込んでいる会社が並びました。
| コード | 銘柄名 | 特徴 |
|---|---|---|
| 4194 | ビジョナル | 転職サイト「ビズリーチ」を運営。即戦力人材のスカウト型採用に強い |
| 4345 | シーティーエス | 建設ICTの専門会社。測量・計測機器のレンタルと現場向け情報サービスを全国展開 |
| 4377 | ワンキャリア | 就職活動サイト「ONE CAREER」を運営。企業の採用広報の支援が収益源 |
| 446A | ノースサンド | ベイカレント出身の社長が設立したコンサル。IT分野の計画策定やマーケティング支援が中心 |
| 4641 | アルプス技研 | 技術者派遣の老舗。機械・電気系の設計開発に強く、農業や介護分野にも広げる |
| 4658 | 日本空調サービス | 空調設備の保守管理が専業。病院や工場など、止められない施設が得意先 |
| 4671 | ファルコホールディングス | 臨床検査の受託で大手。調剤薬局チェーンの運営も手がける |
| 4680 | ラウンドワン | ボウリングやアミューズメントの複合施設を運営。米国での出店を加速中 |
| 4771 | エフアンドエム | 中小企業向けの経営サポートと、士業向けの会員サービスが柱 |
※建設ICTとは、測量から設計・施工・検査までを3次元データでつなぐ国土交通省主導の取り組みのことです。人手不足を背景に、現場の機器やデータサービスへの需要が続いています。
医薬品(4銘柄)
4500番台は新薬メーカーが並ぶ区画です。今回は研究開発型の大手を中心に4社を選びました。
| コード | 銘柄名 | 特徴 |
|---|---|---|
| 4503 | アステラス製薬 | 国内2位級の新薬メーカー。前立腺がん治療薬が主力で、海外売上比率が高い |
| 4519 | 中外製薬 | スイス・ロシュ傘下の研究開発型。抗体医薬に強く、自社創薬の海外導出で稼ぐ |
| 4527 | ロート製薬 | 目薬で国内首位。「肌ラボ」などスキンケアと一般用医薬品が2本柱 |
| 4578 | 大塚ホールディングス | 医療用医薬品と、ポカリスエットなどニュートラシューティカルズの2本柱 |
※ニュートラシューティカルズとは、栄養(ニュートリション)と医薬品(ファーマシューティカルズ)を合わせた造語で、健康維持を目的とした飲料や食品の分野を指します。
その他製品(1銘柄)
業種の分類上は「その他製品」に入りますが、事業の中身は半導体の前工程を支える会社です。
| コード | 銘柄名 | 特徴 |
|---|---|---|
| 429A | テクセンドフォトマスク | 半導体用フォトマスクの専業。外販市場で世界シェア4割の最大手で、TOPPANホールディングスの持分会社 |
※フォトマスクとは、半導体の回路パターンを描いた原版のことです。この原版に光を当ててウエハーへ転写するため、微細化が進むほど製造の難度と単価が上がります。
まとめ
4004〜4998は化学と情報通信業でほぼ半分ずつという番号帯で、今回選んだ65銘柄も化学29・情報通信22とこの2業種で51銘柄を占めました。ただ同じ化学でも、石油化学の基礎原料は市況と在庫の影響をまともに受けるのに対し、半導体向けの電子材料は顧客の設備投資に連動します。情報通信業も、受託開発は人員の稼働率、月額課金型のソフトは解約率と、見るべき数字が違います。番号順ではなく事業の中身で並べ直すと、同じ業種のなかの差が見えやすくなります。
事業内容をひととおり押さえたら、次は数字で水準を見る番です。利益に対する株価の水準はPERの記事、資産に対する水準はPBRの記事、稼ぐ力はROEの記事にまとめていますので、四季報の予想数字と合わせてご覧ください。
※これまでのピックアップは1301〜1999の回と2001〜2999の回にまとめています。
免責事項
本記事は会社四季報を読んだ個人の記録であり、特定の銘柄の売買を推奨するものではありません。記載している事業内容は四季報の記述をもとにした要約で、正確性を保証するものではありません。投資に関する最終的な判断は、ご自身の責任において行ってください。
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