今回は、スペースXがAI部門の急成長で黒字に転換し、ネットフリックスも増収増益となるなど、アメリカの大手企業の決算発表が本格化しています。一方、アメリカの住宅市場では、住宅ローン金利の高止まりで需要の減速が鮮明になっています。
アンソロピックの巨額赤字も明らかになり、国内では食料品の消費税減税法案が衆議院で審議入りしました。この記事では主なニュースと、それを受けて私がどう考えたかをまとめます。前回の市況は10月19日の記事もあわせてどうぞ。
この記事でわかること
- スペースXとネットフリックスの決算のポイント
- アメリカの住宅市場で需要が減速している理由
- アンソロピックの上半期の赤字が約12.8兆円に膨らんだ背景
- 消費税減税法案の中身と高市総理の答弁
- 日本のCPIと日銀の利上げ、選挙をめぐるリスク
| 項目 | 10月21日の結果 | ポイント |
|---|---|---|
| スペースX | 売上高2.6倍、44億ドルの黒字に転換 | AI部門が前年同期比9.3倍に急拡大 |
| ネットフリックス | 増収増益で1株利益は予想超え | 10-12月期の売上高見通しは予想を下回る |
| 米9月住宅着工件数 | 年率122万戸(前月比5.2%減) | 市場予想を下回り、4カ月ぶりの低水準 |
| 米中古住宅販売成約指数 | 66.0(前月比7.3%低下) | 過去最低水準 |
| アンソロピック | 上半期の赤字807億ドル(約12.8兆円) | AIインフラ投資は最大7500億ドル |
| 食料品の消費税減税法案 | 衆院で審議入り | 2年後に元の税率に戻す方針 |
スペースX決算 AI部門がけん引
7-9月期の売上高は前年同期比2.6倍の145億7500万ドル、純損益は前年同期の赤字から44億400万ドルの黒字に転換
1株利益は35セントで市場予想を上回る
AI部門の売上高が前年同期比9.3倍となり、全体をけん引
クラウド契約や、AIコーディングツール「カーソル」の買収完了が寄与
設備投資額は市場の想定の範囲内
出典:Quartz
ネットフリックス決算
7-9月期は売上高、純利益ともに増加し、1株利益は市場予想を上回る
会員数の増加や価格改定でサブスクリプション収入が堅調だったほか、広告収入も増加
10-12月期の売上高見通しは市場予想を下回る
米住宅市場 需要が減速
9月の住宅着工件数は年率換算で前月比5.2%減の122万戸と、市場予想を下回る結果
中古住宅販売成約指数は前月比7.3%低下の66.0と、過去最低水準
建設コストの上昇や住宅ローン金利の高止まりで需要が減速
※中古住宅販売成約指数:中古住宅の売買契約(仮契約)の件数を指数にしたもので、実際の販売の1〜2カ月先の動きを示します。前回の住宅着工件数は9月18日の記事で取り上げています。
出典:Finimize(住宅着工)/HousingWire(中古住宅販売成約指数)
アンソロピック 上半期の赤字12.8兆円
新規株式公開(IPO)に向けた目論見書で、2026年上半期の最終赤字が807億ドルと、2025年上半期の130億ドルから大幅に拡大したことが判明
今後数年でAIインフラへの投資は最大7500億ドルにのぼる見通し
※7-9月期の売上高が約5割増えたことは10月16日の記事で取り上げています。
消費税減税法案 衆院で審議入り
高市総理「2年後には税率を確実に元に戻すこととし、景気を理由に延期することは考えていないため、国民に信を問うことは想定していない。」
食料品の消費税減税関連法案には、中低所得者向けに所得に応じて現金を給付する「就業者負担軽減支援金」も盛り込まれ、政府・与党は来月上旬までの衆院通過をめざす考え
出典:NHK
考察
AI企業の決算と日本のCPI

スペースXの決算は、とりわけAIの需要が堅調で、ここ最近のコアウィーブショックの影響を和らげてくれたか。
相変わらず原油高が株価の重荷になっているが、AIの資金がアメリカの国債に向かっているのか、長期金利は低下している。
今週と来週はアメリカの大手企業の決算次第で株価が動きそうだが、今週の目玉は金曜日の日本のCPI。
日銀の植田総裁は、結果次第で利上げをするだろう。
利上げをしても、日本の企業がどれだけ持ちこたえられるか。
2024年の植田ショックがあるだけに、植田総裁は利上げには慎重になりそうだが、ここ最近は利上げをにおわせる発言をしているため、市場には織り込まれているだろう。
※CPI(消費者物価指数):家計が買うモノやサービスの価格の動きを示す指標で、日銀の利上げ判断を左右します。植田総裁の最近の発言は10月19日の記事、コアウィーブショックは10月16日の記事で取り上げています。
選挙と中東情勢のリスク

来週からは水星の逆行期間に突入し、イスラエルの選挙やアメリカの中間選挙もあり、大荒れの予感。
選挙の前にイラン側はトランプ大統領に不利になるよう原油価格を上げてきているが、選挙後にトランプ大統領がイランへの攻撃を再開し、リスクオフにならないか。
停戦合意しても、イスラエルのネタニヤフ首相が再選すれば、イスラエルが攻撃をやめない限り中東情勢は収まりそうにない。
アメリカのAI企業の決算で、今の高金利では収益が出せないと見られると、これまでの株価の逆回転が起こることもある。
そのことを念頭に置いて、何が起ころうと平常心を保てるくらいのポジションにしておきたい。
※リスクオフ:投資家が損失を避けるために、株などリスクの高い資産を売り、国債や金など安全とされる資産に資金を移す動きのことです。
まとめ
10月21日は、AI企業の好決算と巨額投資、そして高金利による住宅市場の減速が同時に意識された一日でした。
- スペースXはAI部門の急成長で黒字に転換し、コアウィーブショックの影響を和らげました
- アメリカの住宅市場は、住宅ローン金利の高止まりで需要の減速が続いています
- 金曜日の日本のCPIの結果次第で、日銀は利上げに動きそうです
- 選挙や中東情勢で相場が荒れることも想定し、平常心を保てるポジションにしておきたいと考えています
次の焦点は、23日(金)に発表される日本のCPIと、アメリカの大手企業の決算です。引き続きこのブログでまとめます。
※本記事は筆者個人の見解をまとめたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終的な判断はご自身の責任でお願いします。

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