2026年7月29日の経済・国際ニュースをまとめました。この日の最大のトピックは、熊本県で発生した最大震度7の地震です。半導体や自動車の工場が集まる地域だけに、企業活動への影響も広がっています。
あわせて、2026年度の最低賃金が全国平均1176円へ引き上げられる見通しとなったこと、メタとブラックロックによる2.3兆円規模のデータセンター投資など、投資家として押さえておきたいニュースを取り上げ、最後に私なりの考察をまとめました。
米イスラエル首脳がイラン情勢を協議|戦闘開始後で初めての会談
ネタニヤフ首相は今回の協議について、相互の支援と「イランに核兵器を保有させない」という共通認識のもとで行われたと強調しました。
事前の報道では、ネタニヤフ首相がピックアックス山での核関連施設の建設を根拠に、イランが和平を望んでいるという主張は虚偽だと伝える見通しとされていました。
これに対してトランプ大統領は「そんなことを言われる必要はない。私が関与し続けることを望むからだろう」と不快感を示していました。
メタとブラックロックがデータセンター開発に2.3兆円を投資
データセンターは米南部テキサス州に建設され、2028年の稼働開始を目指しています。
出資比率はメタが20%、ブラックロックが80%です。
完成後は、メタが合弁会社とリース契約を結んで施設を利用する形になります。
設備投資の大部分を他社に負わせることで、財務悪化への懸念を和らげる狙いがあるとみられます。
コカ・コーラが増収増益|2026年通期見通しを上方修正
サッカー・ワールドカップの影響で飲料需要が増加したことが、業績を押し上げました。
これを受けて、2026年通期の見通しを従来から引き上げています。
アメリカの消費者心理が低下|7月の消費者信頼感指数は90.8
7月の消費者信頼感指数は、前月比マイナス1.4ポイントの90.8となりました。市場予想の92.3を下回る結果です。
景気や雇用への見方が悪化し、現状指数は3か月連続で低下しています。
先行きを示す期待指数は横ばいでしたが、依然として景気後退を示唆する水準にとどまっています。
熊本で震度7の地震|イオンモールで爆発、工場の煙突が倒壊
震源は熊本県熊本地方で、地震の規模はマグニチュード7.1でした。宇城市と氷川町では最大震度7を観測しています。
イオンモール熊本では爆発が発生して2階部分が崩落し、多数の人が閉じ込められました。20代の女性2人の死亡が確認されています。
日本製紙八代工場では煙突が倒壊するなどして11人が閉じ込められ、2人が救助されたものの心肺停止の状態です。残る9人の安否はわかっていません。
九州新幹線は始発から運転を見合わせていますが、博多〜熊本間は状況によって再開する可能性もあるとしています。
また、熊本県内では複数の高速道路で通行止めが発生しています。
半導体・自動車の工場が集積|企業活動への影響
震度5を観測した菊陽町には、半導体受託製造大手のTSMCとその関連企業が多数集まっています。
TSMCの従業員は屋外に一時避難したあと工場に戻り、設備などに影響がなかったか確認作業を進めています。
東京エレクトロンは、安全点検のため熊本県内にある2つの工場の稼働を停止すると発表しました。
トヨタ自動車九州は福岡県内の3工場の稼働を停止しましたが、29日朝からの再開を予定しています。
トヨタ系の部品メーカーであるアイシンは、熊本市での被害を確認中です。
ホンダは、2輪車などを製造する熊本製作所の操業を取りやめ、29日夕方まで稼働を停止します。
最低賃金は全国平均1176円へ|55円引き上げも前年度は下回る
厚生労働省の審議会は、2026年度の最低賃金引き上げ額の目安を全国平均で55円、伸び率4.9%とすることで決着しました。
引き上げが実施されれば、最低賃金は現在の1121円から1176円になります。
引き上げ額の内訳は、大都市部で54円、地方で56円です。
米ウクライナ首脳会談|パトリオットの生産を協議
ウクライナではロシアの弾道ミサイルによる被害が拡大しており、ゼレンスキー大統領はミサイルの補充を最重要課題としています。
ゼレンスキー大統領は、首都キーウでパトリオットの開発企業の幹部と協議したことを明らかにしました。
パトリオットミサイルは、イランとの戦闘によって米軍の備蓄も減少しています。
フォード・モーターがEV損失で大幅赤字|通期見通しは上方修正
EV戦略の見直しに伴い、韓国の電池大手SKオンとの合弁事業を解消するなどして、42億ドルの特別損失を計上しました。
一方で主力のガソリン車の販売は堅調なため、2026年通期の見通しは上方修正しています。
米世論調査「イラン攻撃支持」は33%|攻撃開始以降で最低水準
イランへの攻撃を支持する割合は33%で、攻撃開始以降で最低の水準となりました。
69%の人が、トランプ大統領が目的を十分に説明していないと回答しています。
共和党支持者でも4割が説明不足としており、中東政策への不満が浮き彫りになっています。
考察
ここからは、今日のニュースを受けて私が感じたことをまとめます。あくまで個人的な見解として読んでいただければうれしいです。
中東情勢とトランプ政権のジレンマ

トランプ大統領とネタニヤフ首相の関係は、悪くなってきているようにも見えます。トランプ大統領としては中間選挙に向けてイラン戦争を早期に終わらせたいところですが、ネタニヤフ首相はなんとしても続けたい。ここにジレンマがあります。
イランとアメリカの戦闘は落ち着いているようにも思えますが、裏ではサウジアラビアとフーシ派の衝突がエスカレートしています。これによって日本の原油ルートであるホルムズ海峡と紅海の両方が封鎖されれば、原油の輸入が減少します。すでに備蓄も放出しているため、エネルギー価格が高くなるどころか、原油自体が手に入りづらくなる可能性もあります。
原油価格が下がって嬉しいのはトランプ大統領で、日本は原油そのものが入ってこなくなり、足元を見られてアメリカ産の原油を高く買わされるのではないでしょうか。結局いつものように、アメリカの財布として日本は黙っているしかないのか。原油を中東に依存してきた政府の政策は、失敗だったと言われても仕方がないと思います。
日本のための政策を打ってくれるトップが現れなければ、日本はこれからもっと悪くなってしまうのではないかと危惧しています。
米国の消費者心理とFRBの金融政策

アメリカの消費者心理が低下しています。これを受けてFRBは利下げをしたいところでしょうが、景気は底堅く推移しているので、今のタイミングでの利下げはないと見ています。
今夜のFRB議長の声明について、市場では7割が据え置き、3割が利上げを予想しています。今の株式市場を鑑みると本心は利下げしたいのかもしれませんが、利下げをすればトランプ大統領に忖度したと市場は見なし、ドルの信認が低下してドル安につながることから、利下げはほぼないと思われます。
逆に利上げをしてしまうと半導体株には逆風です。地合いが悪いなかでサプライズ利上げがあれば株価は一気に下落し、「ウォーシュショック」と言われるかもしれません。個人的には据え置きが濃厚だと考えています。
次の会合では中間選挙が近く、利上げも利下げも動きづらいため、今回で利上げをしなければ中間選挙が終わるまで金利は据え置きだろうと見ています。
重要なのは、ウォーシュ氏がどのような温度感で発言するのかという点です。発言の捉え方次第でタカ派ともハト派とも取れ、それによってドルの方向性が決まるかもしれないため要チェックです。
金は底固めをしているところですが、発言によってはレンジを上に抜けるか下に抜けるかが決まりそうです。上に抜ければ金の上昇相場が再開しそうですが、下に抜けるなら3800ドル付近までの下落も想定して、今のうちにコツコツと仕込んでおきたいところです。
最低賃金1176円とインフレ|貯金だけでは資産を守れない

日本の最低賃金が全国平均1176円になります。私が高校生だった当時、バイトの時給は750円でした。
昔の平均月給を振り返ると、1970年代はまだ数万円で、1983年あたりからようやく月給10万円程度に。1990年、バブルを経てやっと月給20万円になりました。今の若い人は、バイトでも昔の人の月給以上を稼げることになります。
けれども、昔はその分モノの値段も安かった。今はモノの値段が上がっているので、時給が上がっても生活は良くなりません。
インフレはまだまだこれからやってきそうなので、名目の賃金も上がるとは思いますが、物価はそれ以上に上がるでしょう。お金の価値、特に日本円の価値が下がっている今、貯金しているだけでは買えるものが買えなくなっていきます。生活防衛費(だいたい1年分の生活費)を確保できていれば、残りは株式(優良なインデックス)や金に変えておいた方がいいと、個人的には考えています。
余談ですが本日に、任天堂の株を少しだけ買いました。
チャート的にも戦略的17分野の銘柄でもあるため、長期保有として買い。
あくまで投資は自己責任でお願いします。
熊本の震度7から考える、備えと命の優先順位

熊本県で震度7の地震が起きました。南海トラフや首都直下地震が来ると言われているなかで、別の場所での地震が多発しています。地震の予想なんて、猿がダーツを投げるより当てになりません。
10年前にもあった熊本地震なのに、生きている間に震度7をこんなに体験するなんて、誰も思ってもいなかったでしょう。何気ない日常がどれほど幸せなのか、非日常なことが起こるたびに思います。
熊本では地震対策はしていたと思いますが、それでも被害は小さくありません。日々備えることは大事ですが、命に関わる備えはオーバートリアージしておくことも大事だと思いました。
イオンモールで亡くなった女性も、お客様をきちんと避難させたことで被害を小さく抑えられたのに、本人が亡くなってしまっては、残された家族や大切な人は悔やんでも悔やみきれません。大地震が来た時には一にも二にも命が大事なので、今回を教訓に、地震が起こった後は仕事などせずにみんなで避難することを義務付けるべきだと思います。
亡くなられた方々にはご冥福をお祈り申し上げます。被災された方々は暑いなか不安もあると思いますが、日本という国には助け合いの精神があるので、希望をもって生き抜いてもらいたいです。
私もボランティアの災害支援があれば行こうと思います。能登の時にも行きましたが、現地では会う人みんなが元気で、ボランティアに行った側も元気をもらいます。頑張って、みんなで日本を良くしていきましょう。
まとめ|7月29日のポイント3つ
- 熊本県で最大震度7の地震が発生。TSMCや東京エレクトロン、トヨタ、ホンダなど半導体・自動車の生産拠点が停止や点検に入り、企業活動への影響が広がっています。
- 2026年度の最低賃金は全国平均1176円へ。名目賃金は上がっても物価上昇のほうが速く、現金だけで資産を持つリスクが高まっています。
- 米国では消費者心理が低下する一方、FRBは動きにくい局面。今夜の声明のトーンがドルと金の方向性を左右しそうです。
明日以降のニュースもまとめていきますので、よかったらまた覗いてみてください。
※本記事は個人的な見解をまとめたものであり、特定の投資商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
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