週末にかけて、トランプ大統領がイランによるホルムズ海峡開放の提案を拒否し、中東情勢の先行きがあらためて不透明になりました。一方で米中はAIをめぐる対話の枠組みを設け、関税の引き下げでも歩み寄りを見せています。
AI開発の減速を訴えるアンソロピックのアモデイCEOと、トランプ大統領の初めての1対1の会食も話題です。この記事では9月28日時点の主なニュースと、それを受けて私がどう考えたかをまとめます。原油高と長期金利の関係は9月15日の記事もあわせてどうぞ。
この記事でわかること
- アモデイCEOとトランプ大統領の会食が注目される理由
- トランプ大統領がイランの提案を拒否した背景と、今週の協議の見通し
- 米中が合意したAI対話の枠組みと、関税・石炭の取り決め
- 原油高を踏まえた日経平均の下値メドと売買方針
- 中長期で金を買い続ける理由
| 項目 | 9月28日の結果 | ポイント |
|---|---|---|
| アモデイ氏とトランプ大統領 | 初めて1対1で会食 | AI開発を遅らせるべきかで考え方が正反対 |
| イランの提案 | トランプ大統領が拒否 | ホルムズ海峡の開放は先送り。原油高が続くおそれ |
| 米イラン協議 | カタールの仲介で今週中に協議の見通し | 合意できるかが原油価格の分かれ目 |
| 米中のAI対話 | 対話の枠組みと連絡チャンネルを設置 | AIをめぐるトラブルに備えて話し合う場をつくる |
| 米中の関税・石炭 | 関税引き下げを継続、中国が米国産石炭を輸入 | 石炭は2027年・28年の2年で計2,000万トン以上 |
| 日経平均 | 米国株高を受けて上昇 | 下落トレンドライン付近で上値が重い |
アモデイ氏がトランプ大統領と会食 AI開発について協議か
AI開発企業アンソロピックのダリオ・アモデイCEOが、ホワイトハウスでトランプ大統領と会食
両氏の1対1での会談は今回が初めて
アモデイ氏はAI開発の減速を提言する一方、トランプ大統領は開発の減速に消極的な姿勢
出典:TechCrunch
トランプ氏 イラン提案を拒否
トランプ大統領「提案を拒否するイランはひどく劣勢で海峡開放のために取引をしたがっている。我々はホルムズ海峡を完全に掌握している」
イランは米による海上封鎖の解除などを条件に、ホルムズ海峡を7日以内に開放すると提案していたが、トランプ大統領はこれを拒否
イランのアラグチ外相は、提示した条件が満たされない限り海峡を開放しない考え
トランプ大統領によると、カタールの仲介で今週中にイラン側と協議の見通し
※ホルムズ海峡:ペルシャ湾の出入り口にあたる海峡で、世界の原油輸送の要衝です。封鎖が続くと原油価格が上がりやすくなります。
出典:CBS News
米中がAI対話の枠組みで合意 関税引き下げも継続
AIリスクをめぐる対話の枠組みを設立
不測の事態に備えた連絡チャンネルを開設
双方が約300億ドル分の品目で関税の引き下げを継続
中国が米国産石炭を2027年・28年にそれぞれ1,000万トン以上、計2,000万トン以上輸入
ホワイトハウスの発表に台湾問題の記載はなし
※米中首脳会談での貿易休戦の延長は9月25日の記事で取り上げています。
考察
イラン情勢と原油・日経平均の見通し

トランプ大統領がイランの提案を拒否したことで、イラン情勢の再悪化が懸念される。
原油価格も高値圏で方向感が出ず、材料待ちの状態。
ホルムズ海峡が開放されれば原油価格は下がるが、カタールの仲介で協議が行われても合意できるとは思えない。
イランは再び戦闘態勢に入っているとのこと。
ネタニヤフ政権が交代しない限り、中東での戦闘は続くだろう。
協議の結果次第ではあるが、原油価格が上昇してインフレ懸念が再燃し、長期金利が上昇するシナリオの可能性は高い。
企業業績が好調なだけに、原油価格の上昇が一服してインフレ懸念が落ち着けばリスクオンになるが、なかなか難しそう。
日経平均もアメリカ株の上昇を受けて今日は上昇しているが、下落トレンドラインで綺麗に上値を抑えられている(下記チャート参照)。
上値が重いため、協議の結果が前回のように形だけでも合意できれば上抜けそうだが、短期的には下を試しそう。
下がったところは押し目買いをしていく。
59,000円付近に強いサポートがありそうなので、そのあたりでは自律反発を狙って打診買いを考えている。
しかし明確に勢いをつけて下に抜けてきたら50,000円台前半を目指しそうだが、その時には積極的に買い向かう。
チャート的に上値が切り下がっているので、現時点では少なくとも下落トレンドを明確に抜けてくるまでは買い向かわない。
ドル円も円高に向かってきているため、輸出企業が多い日経平均には逆風だが、長期的には円安基調と見ているので、落ちたところは拾っていきたい。

※下落トレンドライン:高値同士を結んだ右下がりの線で、上値の抵抗になりやすいラインです。詳しくはトレンドラインの記事で解説しています。
※サポート:株価の下落が止まりやすい価格帯のこと。詳しくはサポートライン・レジスタンスラインの記事で解説しています。59,000円の下値メドは9月2日の記事でも取り上げています。
※押し目買い:上昇の途中で一時的に下がったところを買うこと。打診買いは本格的に買う前に少しだけ買って様子を見ること、自律反発は売られすぎた反動で株価が一時的に戻すことです。
米中関係と金への投資方針

米中は友好ムードを演出しているが、中国はパンダ外交やアメリカ産石炭の輸入で、台湾問題を表に出させていない。
今の世界の戦争も、大きなくくりでは米中の代理戦争のようなもの。
AIの普及で世界の覇権を虎視眈々と狙う中国に、アメリカはどう対応するのか。
世界の中心がアメリカ一強ではなくなる未来も、そう遠くないのかもしれない。
中国の中央銀行が金を買い増しているのは、ドル覇権に対抗する狙いがあるからなのかもしれない。
まだまだ金は仕込み時だと思う。
中長期的に金は魅力を増すと思うので、引き続き資産の2割前後は金を仕込んでいく。
※パンダ外交:中国がパンダの貸与などを通じて友好関係を演出する外交手法のことです。
まとめ
9月28日は、中東情勢の再悪化への懸念と、米中の歩み寄りが同時に進んだ一日でした。
- トランプ大統領はイランの提案を拒否し、ホルムズ海峡の開放は見通せない状況です
- 原油高からインフレ懸念が再燃し、長期金利が上がるシナリオを警戒しています
- 日経平均は下落トレンドラインで上値を抑えられており、59,000円付近での打診買いを考えています
- 米中はAI対話の枠組みを設けましたが、台湾問題は表に出ていません
- 中長期では金の魅力が増すと考え、資産の2割前後を目安に金を仕込んでいきます
次の焦点は、カタールの仲介による米イラン協議の結果です。引き続きこのブログでまとめます。
※本記事は筆者個人の見解をまとめたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終的な判断はご自身の責任でお願いします。


コメント