2026年8月7日の経済ニュースをまとめました。この日はトランプ大統領とFRB次期議長候補の頻繁な電話接触が報じられ、FRBの独立性への懸念からドルが売られ、金価格は4400ドル付近まで上昇しました。国内ではソフトバンクグループ、任天堂、レゾナック、レーザーテックの決算が出そろい、AI関連の明暗が分かれています。記事の後半では、これらの材料を踏まえて田中家がいま何を考え、どこを仕込もうとしているのかを考察します。
この記事でわかること
- FRBの独立性への懸念が、金(ゴールド)価格とドルに与えた影響
- 米新規失業保険申請と人員削減数から見える雇用の実態
- ソフトバンクG・任天堂・レゾナック・レーザーテックの決算の明暗
- 田中家として、AI関連の次の波にどう備えるか
前回の記事:【2026年8月6日】日銀9月利上げ観測61%・ホルムズ海峡合意へ|市場ニュースまとめ
| 項目 | 8月7日の結果 | ポイント |
|---|---|---|
| 金(ゴールド) | 4400ドル付近まで上昇 | FRBの独立性への懸念からドルが売られる |
| 米新規失業保険申請 | 19万9000人(予想20万2000人) | 7月の人員削減数は2年ぶりの低水準 |
| アルファベット | 社債で約4兆円を調達へ | 買い注文は募集額の4.6倍 |
| ソフトバンクG(4-6月期) | 純利益は前年比-18% | 投資利益はインテル株の上昇で3.8倍 |
| 任天堂(4-6月期) | 純利益+53.5%の1474億円 | 円安と米関税還付が寄与。売上高は-9.5% |
| 秋田市のデータセンター | 2兆円規模で建設へ | 国内最大級のAI向け拠点 |
米国の金融政策と経済指標
トランプ大統領とFRB議長が頻繁に電話か FRBの独立性に懸念
- トランプ大統領はFRBのウォーシュ氏と繰り返し電話し、AIの広がりが経済に与える影響など幅広い問題で助言を求めている
- 金融政策について話し合ったのかは不明
- 物価上昇が続き利上げ予想が強まれば、9月に利上げに踏み切る用意があるとされる
米新規失業保険申請は19万9000人 市場予想を下回る
- 前週比プラス1000人の19万9000人で、市場予想の20万2000人を下回る
- 7月の人員削減数は前月比マイナス27%の3万3429人と、2年ぶりの低水準
出典:米労働省「Unemployment Insurance Weekly Claims Data」
海外企業の動き
アルファベット(Google親会社)が再び社債発行 約4兆円を調達へ
- 社債発行を通じて約4兆円を調達へ
- 買い注文は約1150億ドルで、募集額の4.6倍
- 2026年上半期の社債発行額は500億ドルを超えている
出典:Alphabet Investor Relations
ワーナー 純利益90.6%減の大幅減益
- 売上高は前年比マイナス11.2%、純利益は前年比マイナス90.6%と大幅減益
- NBAの放映権を失ったことで広告収入が減少し、利益を押し下げた
- パラマウントによる買収について、CEOは取引が完了すると確信しているとしている
国内企業の決算まとめ
ソフトバンクグループ(9984) 純利益18%減も投資利益は3.8倍に拡大
- 2026年4-6月期決算は売上高が前年比プラス11%、純利益は前年比マイナス18%
- 傘下の英アームの人件費増加などでAI関連事業の赤字幅が拡大
- 投資利益は出資する米インテルの株価上昇が寄与し、前年比3.8倍の1兆8594億円
- AI関連企業に投資するソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資利益は前年比マイナス65%の2557億円
- 出資先の米オープンAIは3月末から評価額が変わらず、利益に貢献せず
富士フイルム(4901) 子会社の上場を検討
- 子会社の富士フイルムビジネスイノベーションを2〜3年後に分離する方向
- 複合機での富士フイルムブランドは利用を継続する方針
- ペーパーレス化の波を受け複合機の需要が低迷するなか、分離により機動的な意思決定を可能にする狙い
レゾナック・ホールディングス(4004) 8期ぶりに最高益を更新へ
- 複数の半導体材料で世界シェアを誇るレゾナックHDが2026年12月期の業績を上方修正
- 純利益は8期ぶりに過去最高となる1125億円になる見通し
- AI半導体材料が好調で、全体の収益性を引き上げている
任天堂(7974) 純利益53.5%増
- 2026年4-6月期の決算は、純利益が前年比プラス53.5%の1474億円
- 昨年6月に発売した家庭用ゲーム機「スイッチ2」の販売台数が約3割減少したことがひびき、売上高は前年比マイナス9.5%の5178億円
- 為替相場の円安基調やアメリカの関税還付が利益を押し上げた
レーザーテック(6920) 純利益16%増で過去最高益
- AI向け半導体の需要増による顧客メーカーの設備投資で、検査装置の販売が伸びた
- 純利益は市場予想に届かず、決算発表後の私設取引システムでは東証終値に比べて一時マイナス11%超
ネット証券4社 4〜6月の純利益が2.3倍
- 合計純利益は前年同期に比べて2.3倍に膨らんだ
- 個人によるAI関連株の売買が活況で、信用取引に伴う収入が伸びた
- 足元で相場は不安定な動きを見せているが、経営陣は先行きに強気
国内経済・社会の動き
秋田市に国内最大級のAI向けデータセンター建設へ 2兆円規模
- 秋田市で、日本最大級となるAI向けデータセンターの建設計画が進んでいる
- 地元のIT関連企業と米AIスタートアップなどを中心に検討している
- 秋田県は風力発電の先進地域として注目されており、UAEなどからの投資が見込まれている
- 計画は2兆円規模で、2030年代早期の稼働を目指している
大企業の夏のボーナス 過去最高の104万2537円
- 大企業の夏のボーナスの平均妥結額は前年比プラス7%の104万2537円
- 増加は5年連続で、1981年以降で最高額
- 集計可能な22業種中17業種で増加し、建設は前年比プラス60%の202万6633円
- データセンター向けの電線などの需要が好調な非鉄金属は前年比プラス22%の112万5131円
東京大学が2年連続の赤字へ
- 人件費や実験機器などの価格上昇が響き、2年連続の赤字は2004年の国立大学法人への移行後初
- 貯金に相当する繰越金は数年後には枯渇する見込み
- 現在の財務状況が続けば、研究者の削減など規模の縮小が避けられない
地政学リスク
イエメン フーシ派の攻撃で政府軍兵士30人死亡か
- 親イラン武装組織フーシ派は、イエメン暫定政権の軍事基地を攻撃したと発表
- フーシ派の攻撃により政権側の兵士が少なくとも30人死亡し、死者は今後も増える見通し
- 暫定政権は、フーシ派との間で緊張が高まっているサウジアラビアから支援を受けている
トランプ大統領 ミサイル枯渇の見方を否定
- 1日に予定していたイランへの大規模攻撃を中止したが、攻撃や防空に使うミサイルの枯渇が一因との見方もあった
- トランプ大統領は「アメリカは大量の弾薬を保有し、必要に応じて大量の弾薬が製造されアメリカに出荷されている」と述べ、防衛関連企業が史上最大規模で工場や製造施設を建設していると強調
- あわせて、情報漏えい者は追跡されており長い刑期が求められることになる、とも述べた
考察|田中家の相場観
金とドル円 4400ドルの壁を超えるかはCPI次第

トランプ大統領がFRB議長に電話との報道でFRBの独立性を懸念してドルが売られ金は値を上げていたのか。
経済指標としてはアメリカの失業保険申請件数は市場予想を下回り人員削減数は2年ぶりの低水準で雇用は安定していることで利上げ観測が高まってもおかしくない。
ただここで速報。
この記事を書いている時間帯に金曜日の雇用統計が発表されていて、失業率、平均時給は予想を下回ったが、非農業部門雇用者数が予想の8万人を大きく下回ってマイナス2.3万人。
この結果を受けてドル安になりドル円も下落し、金も上昇の勢いがさらに増して、節目となる4400ドル付近まで上昇。
金は日足で1か月半くらい底値を固めて上昇しているが、4400ドルは大きな抵抗になりそう。
ドル円は日足の上昇トレンドラインを一瞬割ったが、髭で返されているため、買い圧力が強いことが分かる。
日銀が早期に利上げをすれば円高方向に持って行けそうにもないが、市場は買い場だと思っている。
雇用が予想を大きく下回ったことでもインフレ懸念があることからFRBの利下げは次のCPIの結果次第。
CPIの結果がインフレ懸念が後退するような結果なら市場は利下げを織り込んでくるかもしれないが、雇用だけではインフレ再燃を懸念して利下げはなさそう。
金が4400ドルを突破するにはCPIで物価が落ち着いてからだと思うので、金はそれまでは上値は重たくなるだろう。
4200~4400ドルの間で推移すると見る。
個人的にはまだまだ安値で仕込んでおきたいので、下落してくれた方がいい。
中東情勢 停戦の裏で動くフーシ派

イランとアメリカは停戦で合意に進んでいるが、裏では親イラン武装組織フーシ派が暗躍している。
どこかで戦争を続けていないと損をする人たちがいるのだろう。
原油価格の上昇を受けてトランプ大統領も攻撃をやめているが、原油価格が低下して、アメリカの金利も低下して、株価が堅調なら再度攻撃してくる可能性は全然ある。
秋の中間選挙の結果次第では株価のことも関係なく行動するようなことになれば、第三次世界大戦も現実のものになりつつあるのかも。
株価だけならまだしも、実際に世界大戦になると必ず日本も巻き込まれるので、なんとかして日本は自衛だけで参戦はしないでほしい。
ソフトバンクGとAIバブル 次の波にどう備えるか

ソフトバンクグループはもはやAI投資会社。
日経平均の上昇もソフトバンクG次第になっているので、ソフトバンクGに投資することが今のトレンドのAI投資になる。
売上高は増加しているがイギリスのアームの赤字幅が拡大したことにより純利益がマイナス。
AIバブルが弾けると一番影響を受けるのはソフトバンクグループ。
その時には日経平均の下落はもの凄いモノになりそうだが、TOPIXでは逆行してその資金が流入することで上昇するかもしれない。
今はAI銘柄の業績もいいため、買いたくなるかもしれないが、過去に仕込んでいた人がこの上昇の恩恵を受けているため、今から入るのは養分になる可能性の方が高い。
この莫大な資金の逃げ道として生活必需品や防災・防衛や政府の戦略17分野のAIとは違う銘柄を今のうちに仕込んで次の波に備えておくのがいいと思われる。
任天堂 押し目があれば買い増したい

最近少し仕込んだ任天堂の決算が発表。
スイッチ2の販売台数が約3割減少したが、円安と関税還付金が寄与し純利益は5割増。
一過性の要因が乗っているが、業績に対して株価は割安だと判断しているため、ここから下がったとしても買い増していきたいところ。
今は買った水準とあまり変わらないので、7000まで落ちてくることがあれば前回の倍の株数を買う予定。
上昇の勢いが強そうなら8300あたりから追加でポジションを増やしていくかもしれない。
まとめ|8月7日のポイント
- FRBの独立性への懸念からドルが売られ、金は4400ドル付近まで上昇。ただし4400ドルは強い抵抗帯で、突破には次のCPIでインフレ懸念の後退が必要
- 雇用は失業保険申請こそ堅調だが、非農業部門雇用者数はマイナス2.3万人と大きく下振れ。利下げ観測はCPI待ち
- 国内はAI関連の決算が牽引する一方、ソフトバンクGへの依存が日経平均のリスク。生活必需品・防災・防衛など非AI銘柄で次の波に備えたい
よくある質問
FRBの独立性が揺らぐと、なぜ金が買われるのですか?
中央銀行が政治の影響を受けて金融政策を決めるようになると、通貨としてのドルの信認が下がると受け止められます。その受け皿として、発行体を持たない資産である金が買われやすくなります。この日は大統領とFRB議長候補の頻繁な接触が報じられ、ドルが売られる一方で金が4400ドル付近まで上昇しました。
ソフトバンクグループの「投資利益」とは何ですか?
出資先企業の株価や評価額の変動によって生じる損益のことです。実際に売却していなくても、評価額が上がれば利益として計上されます。この四半期は出資先である米インテルの株価上昇が寄与し、投資利益は前年比3.8倍となりました。一方で本業に近いAI関連事業は赤字幅が拡大しています。
任天堂は売上高が減ったのに、なぜ純利益が増えたのですか?
為替の円安基調と、アメリカの関税還付が利益を押し上げたためです。スイッチ2の販売台数が約3割減ったことで売上高は前年比9.5%減となりましたが、純利益は53.5%増の1474億円となりました。本業の数量以外の要因が利益を支えた形です。
筆者:田中(田中家の投資道)。日米株と金を中心に運用する個人投資家。毎日の経済ニュースと、実際の保有銘柄の売買判断を公開しています。
【免責事項】本記事は公開情報をもとにした筆者個人の見解であり、特定の銘柄や投資手法の売買を推奨するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。
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