今回は、アメリカの9月の生産者物価指数が市場予想を大きく上回り、利上げ観測が再び高まりました。AI向けクラウド大手コアウィーブの経営不安も重なり、日経平均は3300円超安と過去3番目の下げ幅を記録しています。
ウクライナがロシアの製油所への攻撃を再開する考えを示すなど原油をめぐる不安も続き、国内では日銀の小枝審議委員が利上げに前向きな姿勢を示しました。この記事では主なニュースと、それを受けて私がどう考えたかをまとめます。前回の市況は10月14日の記事もあわせてどうぞ。
この記事でわかること
- 米生産者物価指数と小売売上高が予想を上回った中身
- コアウィーブの経営不安と、エヌビディアのファンCEOの発言
- 日経平均が3300円超下げた理由
- アンソロピックの決算、日韓通貨スワップ、日銀・小枝委員の発言、REIT安
- 日経平均・REIT・金の売買方針
| 項目 | 10月16日の結果 | ポイント |
|---|---|---|
| 米9月生産者物価指数 | 前年比6.3%上昇 | 市場予想を上回り、2022年12月以来の伸び |
| 米9月小売売上高 | 前月比0.8%増 | ガソリン高が押し上げ。除くと0.2%増 |
| アンソロピック | 7-9月期の売上高168億ドル | 前期比約5割増で、2四半期連続の黒字 |
| 日経平均 | 3318円安の6万4425円 | 過去3番目の下げ幅。AI・半導体株に売り |
| 日韓通貨スワップ | 100億ドル規模を維持 | 期限を2029年11月まで延長 |
| 日銀・小枝委員 | 利上げに「過度に慎重にならず」 | 中立金利は1%より相応に上 |
米生産者物価指数 6.3%上昇
9月の生産者物価指数(PPI)は前年比6.3%上昇と、市場予想の5.3%を上回り、2022年12月以来の伸び
前月比は1.3%上昇で、こちらも市場予想の0.5%を上回る結果
中東情勢の混乱に伴うエネルギー高でモノの価格は前月比2.6%上昇、サービス価格も0.8%上昇と、インフレ懸念が加速
※生産者物価指数:企業が出荷するモノやサービスの価格の動きを示す指標で、消費者物価の先行きを占う材料になります。
出典:Babypips
エヌビディアCEO コアウィーブの財務改善を強調
エヌビディアのファンCEO「コアウィーブについては楽観視しており、資本コストは低下してきている」
資金面での救済措置は不要との認識
コアウィーブは社債価格が急落し、CDSが過去最高水準に達するなど、経営破綻への警戒が高まっている
※コアウィーブ:AI向けのクラウドサービスを提供するアメリカ企業で、エヌビディアが約1割を出資する大株主です。CDSは、企業が破綻したときの損失を補償する保険のような金融商品で、保証料が高いほど破綻の懸念が強いことを示します。
米小売売上高 予想上回る
9月の小売売上高は前月比0.8%増と、市場予想の0.3%増を上回る結果
燃料価格の高騰でガソリンスタンドが6.4%増と大きく伸び、全体をけん引
ガソリンスタンドを除くと0.2%増にとどまる
※前回の小売売上高は9月17日の記事で取り上げています。
出典:Babypips
アンソロピックの売上高 約5割増
7-9月期の売上高は前期比約5割増(約46%増)の168億ドル
調整後ベースで2四半期連続の黒字を確保した一方、売上高の成長ペースは鈍化
出典:TipRanks
ウクライナ ロシア製油所への攻撃再開へ
ゼレンスキー大統領は、トランプ大統領の要請で停止していたロシアの製油所への攻撃を再開する考え
スペースXの衛星通信サービス「スターリンク」の利用を制限されたことに反発し、トランプ政権への不信感をあらわに
※トランプ大統領の「エネルギー停戦」をめぐる動きは10月13日の記事で取り上げています。
出典:Kyiv Post
日経平均急落 3300円超安
AI・半導体関連株を中心に売りが広がり、下げ幅は一時3600円超に
終値は3318円安の6万4425円で、過去3番目の下げ幅
アメリカの早期追加利上げ観測の再燃や、AI需要の先行きへの懸念が広がる
日韓 通貨交換協定を延長
片山財務大臣「日韓の通貨スワップについて両国の協力及び連携の象徴として意義に鑑み、現行の100億ドル規模での方針に合意しました。」
通貨交換(スワップ)協定は、金融危機の際に外貨などを融通し合う仕組みで、融通枠は100億ドルを維持し、期限は2029年11月まで延長
出典:亜洲経済
日銀・小枝委員「利上げに過度に慎重にならず」
日銀の小枝審議委員は、利上げに過度に慎重になることはないとして、利上げを続ける姿勢
中立金利は1%より相応に上と指摘しつつ、明確な水準には言及せず
今後の利上げについては、特定のペースを念頭に置いているわけではないと説明
※中立金利:景気を熱しも冷ましもしない金利の水準のことです。日銀の9月の利上げは10月1日の記事で取り上げています。
REITに金利高の逆風 世界で同時安
8月以降に進んだ世界的な金利上昇を受け、コスト増や不動産価格の下落への懸念が拡大
米国では不動産ローン系のREITが急落
米利上げ観測がくすぶる中、当面は逆風が収まりそうにない状況
※REIT(不動産投資信託):投資家から集めたお金で不動産を買い、賃料収入などを分配する金融商品です。金利が上がると借入コストが増えるため、価格が下がりやすくなります。
考察
コアウィーブショックと日経平均の売買方針

アメリカの生産者物価指数が高い伸び。
前日のCPIもインフレの加速を示す数字で、利上げ観測が高まっている。
そんな中、コアウィーブショックで株価は大幅下落。
コアウィーブの倒産懸念でAI関連株が売られた。
個人的には倒産懸念どまりで、まだ倒産したわけではないので、今回の下げはチャンスととらえて日経平均を打診買い。
ここ最近で少しずつポジションを増やしていたため現在は含み損になっているが、中長期では上がると思っているので、落ちたところは積極的に拾っていきたい。
日経平均は日足、週足、月足ともにまだ上昇トレンドと見ているため、60,000円を明確に割ってくるまでは上目線。
60,000円を割ってきたとしても割安で仕込めるため、そこから残りの資金で買い向かう。
短期的には中間選挙の直前までは株価が持ち直してくると見て、70,000円くらいでは今のポジションを少しずつ決済し、現金比率を高める。
アメリカのAI企業の決算次第では、まだまだ上に行きそう。
水星の逆行期間の前までにはポジションを整理して軽くしておきたい。
※上昇トレンド:高値と安値をともに切り上げながら上がっていく状態のことです。詳しくはトレンドラインの記事で解説しています。前回の日経平均の買い増しは10月14日の記事で取り上げています。
原油とインフレ、年末の世界情勢

中東情勢だけでなく、ずっと続いているロシア・ウクライナでも原油価格に影響する出来事が起こっている。
今のインフレの原因はほとんどが原油価格に由来するもので、中央銀行が金利を上げても収まるものではない。
イランはアメリカの中間選挙までは原油価格を下げないようにしているため、インフレ懸念は続きそう。
中間選挙が終わればトランプ政権がイランに対して強硬姿勢になりそうなので、どちらにしても今年の年末は混沌とした世界になりそう。
REITと金の買い場

世界的に不動産市場が冴えないが、こんな時こそ長期的には仕込み時。
今でも金利は高い水準だが、どこまで上がるのかは誰にもわからない。
しかし、現在の金利水準が比較的高いことは分かる。
債券市場でも今の金利水準では少し買われる動きが見られるため、REITに投資したいと思っている人にとっては買い場がきている。
全力で買うことは失敗のもとなので、投資できる資金の2割くらいを打診で買い、下がったところで少しずつ買い足して平均購入価格を下げ、将来の果実として持っておくのも悪くはない。
個人的には金の動きが底堅いように見える。
利上げ観測が高まっているが、米10年債利回りとドルインデックスはむしろ下がっている。
ドル安は金にとって追い風になるため、引き続き金を買うチャンスはまだありそう。
※ドルインデックス:主要な通貨に対するドルの強さを示す指数で、下がるとドル安を意味します。利上げ観測と金の関係は8月17日の記事でも取り上げています。
まとめ
10月16日は、アメリカのインフレ再加速とAI関連企業への不安が重なり、株式市場が大きく揺れた一日でした。
- 米生産者物価指数は前年比6.3%上昇と予想を上回り、利上げ観測が高まっています
- コアウィーブの経営不安で日経平均は3300円超下げましたが、今回の下げはチャンスと考えて打診買いしました
- 日経平均は60,000円を明確に割るまでは上目線で、70,000円付近では少しずつ決済して現金比率を高める方針です
- 世界的な金利高でREITは冴えませんが、長期的には少しずつ仕込む好機と考えています
- ドル安が進む中、金にはまだ買うチャンスがありそうです
次の焦点は、アメリカのAI関連企業の決算と、月末のFOMCです。引き続きこのブログでまとめます。
※本記事は筆者個人の見解をまとめたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資に関する最終的な判断はご自身の責任でお願いします。

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